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第3話「旅立ちの日?」

勇者:「呼ばれてないから出てました」
僧侶:「おい」
勇者:「そんなもんだろ毎度」
僧侶:「そりゃそうだけど……あんた、少しは呼ばれるようなことしなさいよ」
勇者:「確かにワンパターンにも飽きてきたな。なんか面白そうなことでも探すか」
僧侶:「そういえば魔王倒しに行くんじゃなかった?」
勇者:「そういえばそんな話だったかもしれない」
僧侶:「そもそも魔王ってなんなわけ?」
勇者:「……さぁ?」
僧侶:「なんか偉そうにして、適当にモンスターばらまいてるだけよね」
勇者:「うむ」
僧侶:「わざわざこんなやつ勇者に仕立てて倒しに行かなきゃならないのかしら」
勇者:「お前それは違うぞ」
僧侶:「違う?」
勇者:「俺みたいなやつだから、勇者にして適当に乗せとけば王様はなにも気にせずに過ごせるというわけだ」
僧侶:「なるほど、死んでも困らないものね」
勇者:「…なんかはっきりそう言われると傷つくな」
僧侶:「あんたにそんな繊細な神経はないでしょ。でも、結果みると大失敗よね」
勇者:「あごで使おうったってそうは行くか。せっかくの勇者という称号、使うだけ使い倒してやる」
僧侶:「でもいい加減もうちょっと大きな街いかない? あたしもう飽きたんだけど、ここ」
勇者:「言われてみれば確かに。でもあいつらと別れるのは辛いぜ……」
僧侶:「こら。勇者が別れを惜しんでたらキリがないわよ。てか、そんな相手いたの? この町に」
勇者:「いやー、俺を慕ってくれる友人達がな」
僧侶:「餌付けしたガキ共ね。いい情報源にはなったけど」
勇者:「あと資産家のAさん」
僧侶:「……何回あそこのおうちから頂いたのかしら」
勇者:「一般人は万能鍵なんてものがあること知らないからなー。いやいや、いい儲けにさせてもらいましたよ」
僧侶:「未だにたたき出されてないんだから、勇者って偉大ね……」


魔王より勇者の方がタチが悪いんじゃないだろうか

JUGEMテーマ:小説/詩



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