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波紋に揺れる青空

JUGEMテーマ:小説/詩


下を見降ろすと、そこには波紋に揺れる空があった。
私はただじっと、その青空を眺めていた。
決して見上げることなく、下だけを見つめて。
視線を外すことなく、そのまましゃがむ。
太陽の光が眩しい。
下から照らす太陽は、それでも私の心の影を照らし出してはくれなかった。

その青空を見つめながら、頭はぼーっとして、何も考えられなかった。
このまま飛び込んでしまったほうがいいのかな。
水面に映る青空は、体を引っ張るような強い誘惑があって。
気づけば近くに生い茂った草を右手が強く、握っていた。
その草の先っぽをちぎって、投げた。
ゆらり、ゆらりと落ちていく葉っぱはゆっくりと水面にぶつかった。
そして広がる波紋に、空が揺らぐ。
空の真ん中にゆらぐ葉っぱ。そしてそっからでる波紋。
とくん、とくん、と。
その波が、まるで心が鳴ってるかのように思えた。

とくん、とくん。
心のリズムを思い浮かべてるうちに、その水面の空のスクリーンの向こうに描いてはいけない顔を描いてしまっていた。
やだ…。思い出したくない。
私は努めて、空を見つめた。
胸を打つリズムが、一度は収まったのにまた早まっていた。
冷たい水を流し込まれたように心に染みわたる気持ち。締め付けられて、私はついに視線を水面に浮かぶ空から外した。
涙が溢れそうになるのを必死にこらえる。
目をつむって、顔を伏せる。
こんなはずじゃ、なかったのに……
もっと楽しく、笑って、みんなと一緒に居るはずだったのに。
ぎゅっと目に力を入れた。
我慢しても、一度さっき泣いてしまったから顔はぐちゃぐちゃになっていた。
そんな顔を誰にも見せたくないし、今は誰にも会いたくない。
一人にして欲しい。
だから、ここまで逃げ来て、ずっと湖を見つめていた。

みんな、やっぱり心配してるかな…
してるよね。
思わず走って逃げちゃったし。
もう、戻らなきゃ。
胸を打つリズムは私に厳しく叱咤する。同時に、逃げたい気持ちも強める。
ちゃんと仲直り、しないと。
いつまでも逃げてられないから。

私はようやく顔を上げた。
ちょっと西に傾いた太陽が、私を待っていてくれた。

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