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膝を抱えていいところ

JUGEMテーマ:小説/詩


そこは昼間なのに、とても薄暗い空間だった。
顔が熱く、目から溢れる涙は止まらない。
僕はまた屋根裏で一人、泣いていた。

泣いてる理由はもう半分よくわからなくなってた。
母さんに留守番ついでにいろいろやっておくように言われてたのを、僕はゲームをしていて忘れていた。
それで帰ってからこっぴどく叱られたのだが、それがどういうわけかどんどん嫌なこと嫌なこと言われて。
気づけば怒鳴って泣いて、悔しくて、逃げてきてた。
なにかすごく腹立たしくて、悔しかったのに、その理由がぴんと来ない。
泣き出してしばらくすると、こういうことはよくある。
嫌なもんは嫌だったんだけど、僕はなにをあんなに怒鳴ったんだっけ。

そういう事を考え出す頃には、涙もとまって、息苦しかった呼吸も整ってくる。
服のそでには濡れた後があって、きっと目も赤くなってるんだろう。
僕は情けないのかな。泣き虫なんだろうな。
怒鳴ったのは多分、そういう気持ちになっただけ。
嫌なこと確かに言われたけど、それは僕も本当はわかってることだし直さなきゃいけないところだし。
けど、今はすごく顔合わせづらい。
もう少しこの埃っぽい空間に居たかった。

ここでは僕は一人になれる。
もちろん、母さんも僕がここに逃げ込んだことぐらい察しがつくはずだけど、そういう問題じゃない。
僕が、僕一人で居られる空間なんだ。今だけは。
屋根裏っていうのは意味もなくわくわくする。入ってもなにかがあるわけじゃないけど、普通じゃない場所だからこそ来てみたくなる。
そして気持ちが一杯になっちゃったときは、こうやってこの空間に来るんだ。
そうしてここで泣いてると、不思議と落ち着いて考えれる気がする。
怒ってものに当たりたくなっても、ここに来てじっとしてれば落ち着いて考えられる気がする。
そんな僕の特別な場所。
暗くて、埃っぽくて、足下も大きな梁の上しか歩けないろくでもない場所ではあるけど、それでも僕はここが好きだった。

そうして頭に浮かぶものが大体片付いた頃、僕はいつも通りはしごを伝って降りていく。
ちゃんと、母さんにあやまってこよう。

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